LADY LADY LADY とトニセンと
端的に言うと
LADY LADY LADYはいいぞって話です。
曲について分析・考察もどきをしてみたり、楽曲制作に想いを馳せたりしています。
LADY LADY LADYとは
V6「Super Powers / Right now」通常版に収録されているカップリング曲で20th Century*1(通称トニセン)が歌っています。作詞は土岐麻子さん、作曲はトオミヨウさんです。
楽曲についてー歌割とか、歌詞解釈もどきとか、個人的な好きポイントとかー
このLADY LADY LADY(以下LLL)、まず歌割がちょっと面白いなと思いました。
Aメロ 井ノ原くん→長野くん(4小節ずつ)✖2
Bメロ 坂本くん
サビ ユニゾン
A'メロ 長野くん→坂本くん(2小節ずつ)✖2→坂本くん→長野くん(4小節ずつ)
~ギターソロ~
B'メロ 井ノ原くん
サビ' ユニゾン
となっていて、Aメロが長野くん主軸で展開する構成なのがトニセンの楽曲の中では珍しいかなーと。後述しますけど歌割が適材適所で素晴らしいんですよね。曲調はポップだけどギターソロが入るあたりがバンドっぽい曲をやってた中期のトニセン楽曲をなんとなく彷彿とさせるなと私は感じました*2。
LLLは長野くんの歌声がめちゃくちゃキャワキャワキュルキュルボイスで優しい⋯優しい⋯。最近歌唱力が爆上がりしてしっとり系の歌い方をよくしていた*3と思うので良い意味で昔の歌声を思い出すというか、予想を裏切られた⋯って思いました。
LADYLADYLADY聞いたとき最近にしては珍しくカワイメキュルキュルボイスで歌ってるなぁと思ったんですよ
— 菜 (@v6___19) 2019年6月7日
曲はポップだけど歌詞重めだから救いがあっていいなって思ってたんですけどその次のシングルでこれですからね…やられた…
All for Youがリリースされてからこれを言い続けている私⋯。色んな歌い方をしてくれるの、感謝感謝です。
というか3人ともAメロはかなり軽めに歌っているんですよね(特に井ノ原くん)。だからこそBメロで歌い上げているのが映える映える。1番のBメロ『愛』について坂本くんが歌っていて、2番のBメロ『世界への反発』を井ノ原くんが歌ってるのが本当に歌割振った人天才って感じです⋯!坂本くんはとっても愛という歌詞が似合う⋯サラッと歌われていてたまらない気持ちになります⋯。安定安心の坂本昌行(?)。あと私井ノ原くんの歌うBメロが大好きで、特に「まだあなたの」と「しばる」のちょっと苦しそうな歌声が流石だなって思いました。井ノ原くんのAメロとBメロの歌い分け方本当に素晴らしい。流石楽曲に色を付ける天才⋯!
LLLで私が一番好きな歌詞は長野くんが歌う「見ているよ 聞かせてよ 生きづらさの訳を」です。実は「Super powers/ Right Now 」がリリースされた頃、結構ジェンダー系の問題に関して色々私自身の価値観が変わる出来事があって、そのことに関してグルグル考えていたので若干参ってしまっていました。
( ↑直接は関係ないので別記事に詳しく書きました。)
ので余計に長野くんの歌う歌詞にになんだか無性に救われた気持ちになってしまったのです(初めて聞いた時はちょっとだけ泣いた)。押し付けがましく「分かるよ!守ってあげる!」でもなく、さりとて無関心でもなく、理解したいから聞かせてほしいと歩み寄って見守ってくれるこの歌詞はなんて優しいんだろうと思いました。
「瞳の中だけにある~」も目を見て対話して伝え合おうってことなのかな、とか。
優しいで言うと「cause you're a women」にも優しさを感じたな。直訳すると「女だから、女のくせに」ってなると思うんですけど、これそのまま歌詞にすると少しきついというか傷つくじゃないですか⋯。私は日本語話者なので言葉の意味が少しマイルドに伝わってきていいな、と。
あとずっと「so, you're just like a ray of moonlight」についても考えていて。この曲で月って重要なキーワードだと思うんですよね(多分みんな思っている)。女性✖月っていうと平塚らいてうの「元始女性は太陽であった⋯」を私は連想したんですけど、やっぱり意識しているところもあるのかなーとか。「ボール紙でできた月」「古い神話 女神像」「点線で切り取った生き方」とかは伝統的なステレオタイプの女性の生き方を表していて、この曲に出てくる女性はそれとは違う生き方をしたいともがいている。で、私結構平塚らいてうに引っ張られてしまって「a ray of moonlight」をどう解釈したらいいのかなーと思ってたんですけど(結局太陽にはならんのかと思っていた)、ポール紙みたいなカチカチに決められた人生でも、誰かに照らされている人生でもなく、貴方が光自身*4なんだよってことなのかなぁと。貴方は貴方は自身で輝けるんだよってことなのかな、と思います。
楽曲制作に想いを馳せる
LLLの作詞作曲は井ノ原くんのご指名だったらしい⋯。これ、知ったときとても嬉しかったです。というかカップリング曲までメンバー自身が関わってるんだなってちょっとびっくりしました!こういうの聞くとメンバーもCD出すの楽しんでるんだなって思えてにっこりしてしまいます。
作詞をして下さった土岐麻子さんがラジオでLLLについても触れてくれていて。作曲の打ち合わせには井ノ原くんも参加したこととかか、あと土岐麻子さんとV6スタッフさんが歌詞の打ち合わせをした時に「トニセンの皆さんは女性に対してニュートラルに接してくれる」(ニュアンス*5)と言われたこととか。ニュートラルっていろいろ取っ払って向き合ってくれるってことだと思うからなんかとてもいいなと思う。
以下参加アーティストメッセージ↓
生き様が曲に反映されるのって素敵だな、と思うのです。V6は提供してもらった曲はなんでも表現するぜ!っていう職人気質な部分が逆にV6にしかできない表現を生み出していると私は思うんですけど、こういう本人たちに合わせて、本人たちににしか歌えない曲を作ってもらえるのも素晴らしいことだと思う。素敵な人たちを応援出来ておたくはとても幸せだ⋯!
ということで、LADY LADY LADYはいいぞってお話でした!