自力本願で追え

自分の考えをまとめたり、好きなものについて語ったり

New Musical「Color of Life」 を観劇した話

先日カフェでお互いの推しについて語っているときに、友達が勧めてくれたのがこの作品でした。パンフレットも見せて貰って、話を聞いて、「千秋楽以外なら当日券あるから!」と言われ、「あ、この作品私絶対好きだな」と思いつつも決してお金に余裕があるわけではない大学生の私。かなりかなり迷いましたが観劇してきました。

結果

見に行ってよかったと心の底から思いました。

感じたことをまとめておきたいな、と思い今キーを叩いています。

 

※ネタバレしまくりなので、嫌な方は読まないで下さい!

 

 

 

 

 

Color of Lifeは、出会いの物語です。

女は、恋人である女性を喪って、自分も見失っている。

男は、大震災以来、絵が描けなくなってしまった画家。

飛行機で隣り合わせた偶然から、二人はN.Y.でともに暮らし、

それぞれを鏡にして自分を見つけ、喜びを取り戻していきます。

 

New Musical『Color of Life』公式サイトより

 

キャストさんは

広瀬 和也役 東啓介さん

レイチェル・ビーティ―役 青野 沙穂さん

の二人だけ。

劇場の構造が少し変わっていて、真ん中に舞台がありその左右に客席があるという作りでした。多分どのお席でもキャストさんの表情までよく見えたと思う。

舞台上には椅子と最低限の小道具と七枚の“絵”があるだけ。この絵が物語りが進むにつれて一枚づつ完成していくのですが、印象派っぽい感じでめちゃくちゃ奇麗でした。

セットがシンプルな分照明が凝っていて素敵だったな。明暗を上手く使い分けていて舞台上に奥行きが出てました。あと絵に光が当たると絵の具の色が変わって見えるんですよね!

 

楽曲は素晴らしかったです。メロディーも歌詞も美しい。どことなく合唱曲っぽいなと思いました。レイチェルがママとスカイプしながら歌うところでは実際のスカイプの音を元に伴奏が作られていたのが面白かった。特に好きな曲はカラー・オブ・ライフとOUR TIMEとOur Light。

キャスト二人の歌唱力も素晴らしかったです。

東啓介さんは歌声に広い空間を感じました。包まれる感じで、低音から高温まで安定していて凄く上手だった。

青野紗穂さんは歌声がとってもパワフルでかっこいい一方で繊細な感情も伝わってきて心揺さぶられました。

二人ともまだ若いのでこれからもっともっと技術的には上手になるんだろうなと思うのですが(今でも十分上手い)(お前は何様なのか)、本当に役の感情が歌に乗ってダイレクトに伝わってきて、良い意味で心で歌っているって感じがしました。

私は常々「歌は歌詞があるから音楽の中でも特別だ」と思っています。でも、今回は歌ってこんなにも伝わってくるものがあるんだなって正直驚きました。楽曲とキャストの両方の力だと思う。

余談ですが理屈抜きでめちゃくちゃ感動してしまった私は涙腺がぶっ壊れてしまったらしく、自分でもびっくりするくらい静かにぼろぼろ泣いてました(たぶん歌唱シーンは半分ぐらい泣いてた)。キャストさんの顔も、なんなら対面にいるお客さんの顔もばっちり見えたので正直恥ずかしかったんですけどどうにもならなかったですね⋯。二十歳超えてから涙腺がゆるゆるになっている気がする⋯。今もちょっと頭痛い⋯。

あと改めて私は歌が好きなんだな、と思えて嬉しかった。

 

レイチェルはハーフで、親が離婚していて、レズビアンで、(日本では)カテゴライズすればマイノリティと捉えられがちだと言えます。よくマイノリティなアイデンティティについて悩む物語はありますよね。でもレイチェルはそのことを受け入れて肯定している。彼女は和也に惹かれ、そんな自分に戸惑い、最終的には結ばれるけれど、結局最後まで自分はレズビアンであるというアイデンティティを覆していないように思いました。

 

「好き」って何なんだろう。

立場とか、性別とか、常識に囚われて自分の気持ちに蓋をしていることってたくさんあると思うんです。彼らはそういうものを全部取っ払って、個人と個人として惹かれていったんじゃないかなって。今の日本ってLGBTがようやく認知され始めたところだけど、そういう意味ではこのミュージカルは一歩先を行っているなって思いました。

あと感情をカテゴライズすることの意義みたいなことも考えてしまった。ざっくり分けて他者へのプラスが感情があると思うけど、それを友達だったら友情、恋人だったら愛情、家族だったら家族愛って無意識のうちに分けていると思うんですよね。それ自体が悪いとかではなくて。ただ同じ友達でも一人ひとりへ向ける感情って違うし、そうやって名前を付けることによって零れ落ちてしまうものもあるんじゃないかなーなんてことをぼんやり考えたりしました。

 

ラスト、和也とレイチェルが額をくっつけて歌うシーンがあって、それを見たときに、幸せって人それぞれだけど、一つ形に表すとしたらこれだなってストンと思いました。それくらいあの場面の二人は幸福に包まれていて美しかった。多分私はあのシーンを忘れないし、今でも思い返すと涙が出そうになります。

 

 

これを読んで興味を持って下さる方がいるかは分からないけれど、5月25日、26日はまだ当日券がとれるみたいです。

 

もうすぐAM02:30です。眠いです。でも書き上げられてよかったな。

 

 

最後になりますが、素敵な作品に巡り合わせてくれた大好きな私の友人と作品に関わった全ての関係者の皆様感謝を!